都市計画中央審議会答申第1号(1968年11月28日)

市街化区域及び市街化調整区域の設定並びに市街化区域の整備の方策に関する答申


文章中に太字で示した部分が3ヶ所ありますが、これは都城市の線引きにあたって大きな問題とされた点であり、当初の答申文で強調されていたわけではありません。

まえがき

 新・都市計画法に基づく市街化区域及び市街化調整区域の設定並びに市街化区域の整備の方策に関し、検討を重ねた結果、当審議会は、次のとおり結論を得たので、ここに建設大臣に答申するものである。
 なお、当審議会は、政府がこの答申の趣旨に従って市街化区域及び市街化調整区域を設定し、計画的な市街地の整備を行うための具体的措置を講ずることを要望する。
 本件に関し、審議に参加した当審議会の委員、臨時委員及び専門委員は次のとおりである。
委  員 飯沼一省
上子俊秋
佐橋 滋
館林宣夫
中馬 馨
中根千枝
三輪修平
池田 斉
五島 昇
斉藤栄一
高山英華
津田文吾
秀瀬日吉
和田正明
雄川一郎
向坂正男
谷村 裕
田実 渉
中田政美
三好重夫
臨時委員 伊藤俊夫
楠瀬正太郎
横山光雄
井上 孝
恒松制治
梶田 勝
八十島義之助
専門委員 宮崎 仁
岩間英太郎
大茲弥嘉久
佐治 大
金光克己
鈴木珊吉
青山 俊
中野和仁
長野士郎

第一 市街化区域の設定

1.市街化区域を設定する都市計画区域の範囲等

(1)新・都市計画法は、都市計画区域を区分して市街化区域及び市街化調整区域を定めるものとしているが、附則第3項において、市街化区域及び市街化調整区域は、当分の間、大都市およびその周辺の都市計画区域その他の政令で定める都市計画区域について適用することとしている。その趣旨は、大都市及びその周辺等人口、産業の集中が予想される区域で無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図ることが特に必要な区域についてこの制度を当面適用することが妥当であるとするものであるので、市街化区域及び市街化調整区域を設定する都市計画区域としては、次のものとすることが適当である。
(イ)首都圏の既成市街地若しくは近郊整備地帯・近畿圏の既成都市区域若しくは近郊整備区域又は中部圏の都市整備区域に係る都市計画区域
(ロ)新産業都市の区域、工業整備特別地域又は首都圏、近畿圏若しくは中部圏の都市開発区域に係る都市計画区域で、人口の増加が著しいもの及び都市的開発の進展の度合いからみて近い将来に急激な人口の増加が見込まれ、計画的な市街化を図る必要があると認められるもの
(ハ)人口10万人以上の市で人口増加が著しいこと等一定の要件に該当するものに係る都市計画区域及びこれに近接する市に係る都市計画区域
(2)市街化区域及び市街化調整区域の設定は、上記の都市計画区域について行なうこととするがそのうちでも(イ)の都市計画区域及び大規模中核都市に係る都市計画区域については、新・都市計画法の施行後できる限り早期に設定を行なうよう措置すべきであり、また、市街化区域及び市街化調整区域の設定は、関係のある都市計画区域について同時に行なうよう配慮すべきである。都市計画区域の指定にあたっては、地域の実情に即しつつ広域的在観点から都市計画行政が適切に行なわれるように、一体的に整備すべき市町村の区域をまとめて指定するよう措置すべきてある

2.市街化区域及び市街化調整区域の設定の基準

(1)市街化区域の設定にあたっては、まず、都市計画区域におけるおおむね10年後の人口・産業の見通しをたてなければならない。この場合、都市計画区域の人口、産業の見通しは、過去の趨勢の延長のみから定めることは不適当であり、全国総合開発計画及び各地域の整備開発計画等の上位計画に適合する必要があり、また、関係地方公共団体の開発整備の構想と十分調整されたものでなければならない。
 なお、首都圏の近郊整備地帯等の都市計画区域では、大規模な住宅団地、工業団地等の計画的開発の如何によって都市計画区域の人口、産業の見通しが変るが、このような計画的開発については関係地方公共団体等の受入れが可能で事業実施の見込みがあるものをその見通しにおりこむこととすべきであり、また、将来その実施の予定が定まった場合いには、その時点において、都市計画区域の人口、産業の見通しを変更することが必要である。

(2)市街化区域の設定にあたっては、上記のように都市計画区域の人口、産業の見通しを定め、このうち市街地に配置すべきおおむね10年後の人口、産業の規模を定める必要がある。この場合市街地人口は、都市計画区域内総人口、1次、2次、3次産業別人口の見通し、人口分布の現況等を勘案して定めるものとし、また、市街地内に配置すべき産業は、都市計画区域内の農林業等を除く産業分類別就業者数、工業出荷額、商品販売額、用途別建築床面積等の見通し及び事業所の分布の現況等を勘案して定めることとすべきである。

(3)市街化区域の規模は、上記のように定められた市街地人口及び産業を適切に収容するものでなければならない。市街化区域の規模を定める場合には、既成市街地及びその周辺部(既成市街地に接続して現に市街化しつつある地域をいう。)における人口・産業の動向と市街地再開発の計画等を勘案して既成市街地及びその周辺部に配分すべき市街地人口及び産業を定め、残余の市街地人口及び産業を容れるために必要な新市街地の規模を算定し、これと既成市街地及びその周辺都の規模とをあわせたものを市街化区域の規模とすべきである。
 この場合、新市街地の規模は、住宅地については人口を基礎とし、地形、開発の方式、住宅の型式等を勘案した適切な人口密度の基準によりその規模を定め、商業地・工業地等については産業の業種就業者数等を基礎とし、一定の基準によってその規模を定めることとすべきである。この場合、住宅地の人口密度については、大都市の既成市街地の周辺等の土地を高度に利用すべき区域にあっては100人/ha以上とすることが適当であり、その他の区域にあってはこれを80人/ha以上とすることを目標とし、土地の利用度が現在低い地域であっても少なくとも60人/ha以上とすることとすべきである。なお、大規模な公園、鉄道の操車場等の施設及び海岸・河川・急傾斜地その他市街地として利用しえない土地であって市街化区域に含められるものについては、必要なものを市街地の規模に算入するものとする。

(4)市街化区域の設定は、上記のように定められた市街地の規模に基づき、これを具体的な場所におろしてその区域を定める必要がある。この場合には、既成市街地及びその周辺部は当然市街化区域とされるが、新市街地については、市街地開発事業その他の都市計画事業又は相当規模の開発行為による計画的な開発の実施の見込みのある区域を主体として市街化区域を定めることとすべきである。この場合、用途地域の指定の状況を勘案するほか、地形その他の自然的条件、交通施設の配置、主要都市施設の整備の見通し等を考慮して、市街地とすることが不適当な場所を含まないようにすべきである。また、市街化区域は、既成市街地を含み一体的に定めることが望ましいが、計画的開発の見通しのある住宅適地、工業適地又は鉄道の駅等市街化の核となる施設を含む区域については、飛び地的に定めることも必要である。ただし、飛び地的な市街化区域は、市街化区域設定の趣旨からも公共投資の効率の確保の点からも、原則として、50ha以上の面積をもった区域とすべきである。
 なお、溢水、湛水、津波、高潮等による災害の発生のおそれのある区域及び当該区域を市街化することにより他に溢水等の災害を発生させるおそれのある区域は、原則として、市街化区域に含めないこととすることが適当であり、当該都市の発展の動向等からみて、これを市街化区域に含める場合には、当該区域の市街化の動向をみながら河川改修その他の所要の措置を講ずることが必要である。

(5)また、自然景観の特に勝れている区域、近郊緑地等都市の環境を保護するため緑地として保全証すべき区域等は、原則として、市街化区域に含めないこととすることが適当である。さらに、農業との調整に特に留意して、土地改良事業その他の農業に関する土地基盤整備事業を実施中の区域及び相当のまとまった規模の優良な集団農地等で、今後とも長期に農用地として保存すべき区域は、市街化区域に含めないこととすることが適当である。
 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域であり、市街地としての土地利用を図ることができないので、この区域内の農地については、耕作者の営農意欲を尊重し、地域の特性に応じた農業の振興を図ることが適当である。また、市街化調整区域において近郊緑地、自然公園、保安林等将来にわたり保全する必要のある地域については、将来ともその区域の市街化を抑制すべきことを市街化調整区域の保全の方針として都市計画に定めることにより、長期的にみた土地の合理的利用の確保を図るべきである。

(6)市街化区域と市街化調整区域の境界は、原則として、河川、水路、鉄道、道路、崖等の明確な地形・地物により定めることとし、これにより難い場合は、町界、字界又は市街地開発事業の施行区域の境界等現地において明確に判断しうる境界をもって定めることが必要である。

(7)また、新・都市計画法では、おおむね5年ごとに基礎調査を行なうこととされており、その結果に基づいて必要な場合に都布計画の変更を行なうこととされているが、この再検討の際には、その時点における市街化区域内の市街化の状況を勘案し、さらにその時点からおおむね10年後の人口・産業の見通しを定めて、当初の設定と同じ原則にたって、市街化区域の変更を行うこととすべきである。
 さらに、高速道路、鉄道、大規模な産業開発の計画の決定等市街化区域設定の際予想されなかった著しい事情の変更があったときは、都市計画の再検討を行なって必要な市街化区域の変更を考慮すべきである。

3.市街化区域及び市街化調整区域の設定上配慮すべき事項

 市街化区域の設定は現在及び将来における都市の発展の動向を定めるものであるから、その策定にあたっては、都道府県知事は、あらかじめ、十分調査を行なったうえ原案の段階で関係市町村と十分打合せをすべきであり、また、市町村は、都道府県知事の原案に基づき地元との調整を十分行なう必要がある。この場合には、市町村に審議会を設けて活用する等住民の意向の反映に努めるべきである。また、その設定にあたっては、地方公共団体及び住民に市街化区域の設定の趣旨を十分理解させ、市街化区域内では、土地区画整理事業等の都市計画事業に協力すべきこと及び都市計画事業について応分の税負担等が課せられることを住民に周知させ、いたずらに市街化区域を広く定めることのないよう留意すべきである。
 なお、まだ市街化区域の進行していない農地、山林の区域を市街化区域に定める場合には、市街化区域の設定によって地価が上昇するおそれがあるので、このような地域には、市街化区域の設定と同時に専用的な地域地区の指定を行なって不特定な土地需要の競合をさけ、また、建築の容積を制限するとともに、できる限り広く新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業又は一団地の住宅施設等の都市計画を定めて建築を禁止し、先買権を行使して土地の先行取得を行なうことにより都市計画の側からもできる限り地価の上昇傾向を抑制することに資するよう配慮すべきである。

第二 市街化区域の整備

1.整備の基本方針

(1)市街化区域及び市街化調整区域については、これらの区域の整備、開発、保全の方針を都市計画に定めることとされているが、この方針は都市計画の基本となるものであるから、当該都市計画区域における人口、産業の目標を定めるとともに、交通施設の整備、産業の開発、住宅の建設、生活環境の整備、緑地の保全等の都市計画策定の基本となるべき指針並びに住宅地、工業地、商業地等の土地利用、都市の骨格を形成する道路、鉄道、河川等の施設の配置、主要な市街地開発及び再開発の予定等の方針を定め、これらを計画書の附図に示してその構想を明らかにすべきである。この場合。当該整備、開発、保全の方針を定めるにあたっては、大都市圏においては都心機能の分散配置及び衛星都市の育成強化により圏域全体の都市機能の強化が図られるよう、また、地方都市においては中心的都市を中核として機能を分担すべき地域を整備開発し、これらを効率的な交通施設で連絡して均衡のある発展が図られるように配慮すべきである。

(2)市街化区域において都市計画を定める場合には、市街化区域の整備、開発、保全の方針に基づき、地域地区については専用地区、容積地区等を積極的に定めるとともに、都市施設については従来から都市計画に定めていたもののほか、都市河川、鉄道、学校等の各種の都市施設を総合的に定め、市街地開発事業についてはこれを積極的に定めて公的機関及び民間の事業を促進すべきである。

(3)市街化区域における都市施設については、おおむね10年後の都市の社会的経済的活動を支えるために欠くことのできない必須の根幹的都市施設を重点として整備の目標を定め、効率的な投資を行なうため事業の優先度をきめ、計画的にその実施を図る必要がある。

(4)市街地の整備に要する費用の負担については、根幹的都市施設は国及び地方公共団体が、その他の主として地域住民の利用に供される施設は開発者が負担することを原則として、その基準をさらに明確にし、その運用を適切に行なうべきである。

(5)市街化区域の効率的な整備を図るため、従来の既成市街地中心の公共投資の考え方を改めて、既成市街地の周辺部の整備及び新市街地の開発にも積極的な投資を行なうとともに、後述するように、既成市街地、その周辺部及び新市街地の各地域について整備の重点に応じ必要な整備の方策を定め公共投資の効率化に努める必要がある。また、市街化区域の整備については、当該市街化区域の特性と地方公共団体の実情を十分考慮しつつ適切な方策を講ずる必要がある。

2.既成市街地の整備

(1)既成市街地においては、人口、産業の集中にともない土地利用の変動と公共投資の相対的立ち遅れによって都市機能が阻害されているが、既成市街地の整備改善を短期間に行なうことば極めて困難であるので、その整備改善の考え方としては、現在の都市機能を維持し、少くとも現状の都市施設の水準を保持するように、幹線街路、大公園、幹線下水道等重要な根幹的都市施設に重点を置いて投資し、また、小規模な都市施設は市街地再開発事業又は土地区画整理事業によって遂次整備することが適当である。また、重要な根幹的都市施設の整備には多額の用地補償費を必要とするので、事業着手年度を考慮して都市計画段階における都市計画制限を活用し、建築を禁止し、先買権を行使して事業の円滑化を図るべきである。

(2)東京、大阪等の大都市については、既成市街地に立地する必要のない工場、学校等の都市機能の分散を促進し、また、都心部に立地している問屋、市場、倉庫等の流通施設が交通混雑の大きな原因となっているので、効率的な環状道路等を整備するとともに、これに接続して貨物駅、トラックターミナル、流通団地等を計画的に配置して業務交通の円滑化を図り、さらに、地下鉄網の整備を進め、これに直結する通勤鉄道の都心乗入れを推進する等通勤輸送力の増強をはかるべきである。これらの大都市においては中枢管理機能をになう業務施設の増大が予想されるので、副都心の開発、整備が必要であるが、その開発整備にあたっては、能率と環境を確保するため業務施設、消費施設等を合理的に集団化させ、また、これらと一体として道路、公園、駐車場等の都市施設を整備することが必要である。さらに、職住の近接を図るため既成市街地における中高層住宅の建設を積極的に促進することが必要である。
 なお、大都市の既成市街地においては、震災その他大災害時における避難拠点、避難路の整備に努めるべきである。

3.既成市街地の周辺部の整備

(1)既成市街地の周辺部は、公共施設の整備が十分でないにもかかわらず、市街化が進行しつつある区域であるから、道路、公園等の都市施設をまとめて整備する土地区画整理事業を早急に実施することが適当である。このため必要な調査を実施したうえ、土地区画整理事業の都市計画を早期に定める必要がある。
 これにより、道路、公園等の公共施設の計画も細部にわたって定められるのでこれらの予定地内での建築を抑制することができ、乱雑な市街化を防止できることとなるとともに事業の円滑な施行が可能となる。

(2)土地区画整理事業の実施にあたっては、市街化の程度、住宅地の整備の必要性、都市施設の整備の計画等の観点から施行順序を定め、また、幹線街路の整備費を公共の負担として事業に投入すること等によりその実施の円滑化を図るべきである。

(3)この区域においては、中高層の住宅を建設して土地利用の高度化を図る必要がある。このため土地区画整理事業の完了した区域に中高層住宅の建設が促進するとともに、その他の地域についても一団地の住宅施設の都市計画をできる限り定めて中高層住宅の建設の促進を図るべきである。また、民間の事業にも一団地の住宅施設の都市計画事業を認可して都市計画事業の特典を与え、住宅の供給を促進することが必要である。
 さらに、住宅適地を所有する地主が土地を売らずに自ら住宅を建設して住宅の供給を増加することに寄与させるような措置をとる必要がある。

4.新市街地の整備

(1)新市街地は、今後新たに計画的に市街化を図るべき区域であるから、新市街地の全体の骨格となる都市施設を配置し、無秩序な市街地とならないように広域的根幹的都市施設のみならず近隣住区に必要となる主要な道路、公園、学校等の施設をも都市計画に定めることとすべきである。また、無秩序な開発を抑えて秩序ある市街化を図るため、小規模な開発行為についても開発許可を要することとし、良好な水準の市街地の開発を行なう必要がある。さらに、市街化区域の設定と同時に専用的な地域地区を定めるとともに、例えば近隣住区程度の適切な規模により市街地開発事業の都市計画をできる限り定めて計画的な市街化を図ることが必要である。

(2)この区域の整備については、宅地、住宅を大量に供給すべき区域としての役割が発揮されるよう公共機関が新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、土地区画整理事業等の大規模な面的整備事業及び一団の住宅施設の都市計画事業を積極的に行なう必要がある。また、民間開発者による大規模な開発に期待するところが大きい地域については、これらの者に良好な市街地を形成させるよう指導援助を行ない、これを促進することが必要である。

(3)この区域内の根幹的都市施設については、地域間連絡街路、総合公園等特に重要なものは先行的に整備することが必要であるが、市街地開発に関連する根幹的都市施設は計画的開発と並行して整備されるよう配慮すべきであり、そのため実施時期を調整しつつその事業化を図ることとすべきである。また、面的整備事業により整備されるものについては、公共施設管理者負担金を投入するとともに、開発者が主要な公共施設を整備したときも国又は地方公共団体がその用地費の一部を負担する必要がある。

5.財源の確保等

(1)市街化区域の設定を円滑に行なうためには、市街化区域の整備が計画的に実施されることとする必要がある。市街化区域の整備については、前述のように公共投資の効率化を図り、各地域の特性に応じた整備の方策を講ずるとしても、なお国及び地方公共団体を通じて相当の公共投資が必要である。特に、大都市周辺の地域のように、従来以上に人口、産業を受け入れなければならない地方公共団体については、財源をさらに強化する必要がある。従って、市街化区域の整備については、都市施設等への国の投資の配分を増大させるほか、地方債、土地基金の積極的活用を図るとともに、都市計画税等の税財源の充実、負担金の活用等により地方公共団体の財源の確保を図る必要がある。

(2)市街化区域の整備は、都市施設用地、市街地開発事業用地の先行取得が積極的に行なわなければその円滑な実施が確保されないので、そのための財源措置等を講ずる必要がある。

(3)地方公共団体は、都市計画制限の適切な実施を図り、また、都市計画事拳に関する自己財源の確保の努力をして都市計画行政の推進に努めるべきである。  さらに、都市計画の執行体制の強化のため、組織の拡充、予算の確保を図り、また、関係職員の交流、教育、研修を積極的に行なうとともに民間コンサルタントの育成強化を図るべきである。

第三 市街化区域及び市街化調整区域の設定並びに市街化区域の整備に関連して別途講ずべき措置

 既成市街地における土地の高度利用、職住近接のための住宅の建設及び災害時における避難拠点の確保を図るためには市街地再開発に関する従来の法制では不十分であるので、計画的再開発を促進するための法制をすみやかに確立すべきである。

 土地の供給及び有効利用の促進、土地の仮需要の抑制等を図るための土地税制の改善の措置を早急に講ずるよう検討すべきである。

 市街化区域及び市街化調整区域の設定に関連して必要な場合の代替農地あっせん、交換を促進するための方策を講ずることについて今後検討する必要がある。

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