国会審議なき大増税「農地に準じた課税」への質問主意書

農地に準じた課税Q&A / 生産緑地地区への質問主意書 幻の「農地に準じた課税」

 この問題で「質問主意書」を進めていただいた全日農(全日本農民組合)から、「農民新聞」に説明をするように頼まれました。「分かり易く書く」ことが条件で、重要なポイントに限って書いていますので、「このホームページよりもはるかに分かり易い」はずです。
 だから、まず2012年8月5日発行の「農民新聞1924号」(pdf) をご覧になり、それからこのホームページを読むことを勧めます。
(2012.08.13)

 質問主意書は、2012年6月に2通、翌2013年6月に1通提出していただきました。ここは2012年の2通について説明しています。2013年の質問主意書については、上の「生産緑地地区の質問主意書」をクリックしてください。(2013.06.23)

 衆議院の吉泉秀男議員に、2012年6月4日に『市街化区域農地への「農地に準じた課税」に関する質問主意書』(質問第275号)を提出していただき、6月12日に答弁を受け取りました。さらに6月18日に、『市街化区域農地への「農地に準じた課税」に関する再質問主意書』(質問第300号)を提出していただき、6月26日に答弁を受け取りました。その回答の際に、総務省側から、答弁本文では意を尽くせないので、話し合いを行いたいと提案いただいたので、6月29日に話し合いを持ちました。これらを紹介し、同時に総務省見解の問題点を指摘したいと思います。
(2012.07.02/2012.07.06更新)

内 容 一 覧


「ある日気づいたら、農地課税が変わって、宅地並み課税になっていた・・・」

「質問主意書」へのリンク

質問の内容と答弁は、衆議院ホームページで「質問主意書・答弁書」を選び、「第180回国会 質問の一覧」へ進むと、質問番号順に並んでいるので簡単に探せます。時々ページの構成が変更されるので、リンク切れになる恐れもありますが、探す手間を省くため、経過、質問本文、および答弁本文のファイルに直接リンクを引いて紹介します。リンク切れになっていた場合は、質問件名で検索すれば出て来るはずですので、よろしくお願いします。

再質問の趣旨
再質問への答弁本文とその意味

 前半と後半に分け、総務省から受けた説明を基礎に説明します。


答弁本文 答弁の意味


 御指摘の「一般市街化区域農地」については、地方税法等の一部を改正する法律(昭和五十一年法律第七号。以下「昭和五十一年改正法」という。)による改正後の地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)において、市街化区域農地に関する附則第二十九条の七の規定が適用されるこちらに説明しているように、「附則19条の3を適用しない」ということです)ことにより、農地に関する附則第十九条の規定が御指摘の「一般農地」と同様に適用されることは、法文上明らかである
  • この文は、「農地に準じた課税」による増税が「昭和五十一年改正法」つまり1976年の改正で生まれたことを認めています。
  • 同時に、最後の「法文上明らかである」が、「明らかである以上、審議した議員には改正で生じる効果に関する認識があったと思われる」ことも意味するそうです。つまり、「隠してないので、知っているはずだ」ということです。


  •  また、お尋ねの「「引き続き検討を加える」と説明したのはなぜなのか」については、昭和五十一年改正法附則第二十八条の規定による改正後の地方税法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第二十三号)附則第十八条の規定により、御指摘の「一般市街化区域農地」に対して課する固定資産税については、さらに課税の適正化を図るため検討を加え、その結果に基づき、昭和五十四年度分の固定資産税から適用されるよう必要な措置が講ぜられるべきものとされていたからである。
  • ここは、国会で増税開始を明確に説明せず、今後の課題と答弁したことは「適切である」という主張です。
  • その理由は、今後検討を加えて、次の改正が予定されている1979(昭和54)年に見直すことを規定していたからだそうです。つまり、「実際にどうなるのかはその時にならないと不明で、意図的に伏せてはいない」、ということのようです。
  • 「法文上明らか」の深い意味と国会審議
    国会審議の比較:消費税法案と比較し
    「宅地並み課税」の定義
    1975年後半の朝日新聞記事

    日付 見出し 記事のポイント
    9月21日

    (朝刊)
    1面
    農地の「宅地並み課税」強化
    対象、C農地含める

    国土庁方針
    週内にも最終判断

    農協反発
  • 国土庁は、宅地並み課税制度をさらに課税強化する方針を決めた。具体的には、(1)対象を三大都市圏のC農地まで拡大する、(2)三大都市圏以外の大都市にも適用する − などが検討されている。
  • 建設省は、実際には負担を軽減している市が多く、政策効果が十分あがっているとは言えないと、農民側の反対を押し切ってまで強化するのには及び腰だ。自治省もまだ結論が出ていない。
  • 農民側は、課税強化農時を拒むのはもちろん、逆に現行制度の軽減を図る方針を打ち出した。
  • 9月26日

    (統合版)
    2面
    「宅地並み課税」強化案

    今回適用見送り決定
    3大都市圏外の大都市

    東京本社最終版ではなく
    西部本社の統合版にある
  • 国土庁は23日に「宅地並み課税」を強化する税制改正案を正式に決めた。三大都市圏のC農地のうち、評価額が当該市域の宅地平均価格の1/2を超えるものまで拡大する。しかし、三大都市圏以外の大都市への適用については、農業団体の強い反対や建設、自治両省などの消極姿勢を考慮、今回は見送られる。
  • 三大都市圏以外の大都市への適用を見送ったのは、三大都市圏の宅地難がとりわけきびしい事情を考え、まず三大都市圏の宅地難解決に全力をあげることが先決、と判断したためとしている。
  • 10月3日

    (朝刊)
    3面
    大都市農地の宅地並み課税
    拡大案にソッポ

    自治体の賛成ゼロ
    増税分肩代わり
    財政難…負担できず
  • 三大都市圏の市街化区域農地の宅地並み課税につき、国土庁と建設省が先月23日に、課税をC農地へ対象を広げる方針を打ち出したとたん、一斉に「反対」の声が上がった。とくに課税実施権をもつ各自治体が一斉に反対しているのが目立つ。
  • 大都市の住民には良い制度に見えるが、A、B農地だけでは効果がほとんどなく、市街化農地の8割以上を占めるC農地への課税がどうなるかが注目されていた。
  • もともとA、B両農地でも課税実施182市のうち6割以上が半額から全額を肩代わりして農家に還元している。農家側からの圧力もあるが、過密に悩む自治体はこれ以上人口増を抱えたくないというのが本音。C農地課税となったらその分も肩代わりをしなければならず、負担増で農家より先に自治体がまいってしまうという。
  • 10月12日

    (朝刊)
    1面
    来年度引きあげ
    農地の固定資産税

    不公平税制是正の一環

    自治省、方針固める
  • 自治省は38年度以来据え置かれてきた農地の固定資産税を引きあげる方針を固めた。農業振興の立場から「当面の間」という条件で凍結されてきたが、他の土地に比べて極端に安くなっている。
  • 評価額は平均50%アップしているが、税額に反映されていない。最近になり、地方財政の悪化から、市町村からも手直しを求める声が出ている。
  • 自治省も、来年度の税制改正の柱として不公平税制の是正を掲げており、その一環として農地の固定資産税を引き上げる。据え置きを継続すると宅地との格差がますます広がる恐れがあるため、少しでも改善したい。数年がかりで是正を図ることを検討している。
  • 10月16日

    (夕刊)
    1面
    農地の宅地並み課税など
    据え置きの方向

    自民幹事長
  • 農地の宅地並み課税や評価替えが問題になっているが、自民党の幹事長、政調会長は、農業団体との定期会合で、「据え置きの方向で検討する」と約束した。
  • 自民党はすでに税制調査会が問題を検討しているが、財源確保のため課税強化を求める動きも強いので、党執行部のこうした考えはひと波乱まぬがれそうにない。
  • 10月29日

    (朝刊)
    2面
    農地の宅地並み課税
    来年度は見送りの公算

    自民も慎重論に
    四野党も反対
  • 自民党は28日、総合農政調査会と農林部会都市農業小委員会で話し合った結果、政府が打ち出している市街化区域農地の宅地並み課税を拡大する方針につき、来年度の実施は見送りとする慎重論でまとまった。
  • すでに野党各党は宅地並み課税の拡大に反対の態度を固めているため、政府の課税拡大の方針を推進する党は全くないという状況に立たされている。
  • 国土庁長官、建設相ら関係首脳は「無理押ししてまで実現を図ることはしない」との意向を固めたため、宅地並み課税の拡大は来年度は見送られる公算が強まってきた。
  • 12月16日

    (朝刊)
    1面
    市街化区域農地の宅地並み課税
    来年度も現状維持
    C地域格上げせず

    一般農地は増税
  • 自民党の税制調査会は、15日の総括委員会で、市街化区域農地の宅地並み課税の扱いについて協議した結果、(1)課税範囲を現行の三大都市圏から拡大しない、(2)C農地のA、B農地への格上げによる課税強化も行わない、との方針を決めた。
  • 一般農地の固定資産税については、3年計画で毎年20%ずつ引き上げ、38年度からの据え置きによる課税ギャップを埋めることにした。
  • 1975年12月16日の朝日新聞解説
    日本経済新聞の記事と国会質疑
    「引き続き検討を加え」た結果は
    その後の新聞記事と生産緑地
    生産緑地指定の問題 貸家建築時の減税措置も
    一般農地の増税とのバランス
    2003年の三分の一特例導入

    市街化区域農地への課税問題トップへ戻る